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2006年11月 5日 (日)

遺産を歌い継ぐと言うこと~最近のレパートリーから

最近KANさんのレパートリーに加わっているのが"Your Cheatin' Heart"。29歳で亡くなるまでに数多のカントリースタンダードを残してくれたハンク・ウィリアムス(写真下)の名曲なのだが、これがまた傷ついたココロになんともグッと沁みてくる… カーペンターズでリヴァイヴァルヒットした"Jambalaya"に"Hey Good Lookin'"、"Cold cold heart"、"I Saw The Light"、"Lovesick Blues"…カントリー界の大スターだったハンクは黒人住民の多い南部アラバマ生まれ。カントリー界にありながら、漂わせるブルーズフィールが魅力の歌手だった。それだけにKANさんとの相性は文句ナシだ。

そもそも"Your Cheatin' Heart"を取り上げたのは、路上で80歳にもなる老カントリーバンドマンにリクエストされたことがキッカケだったと言う。初めは気乗りがしなかったものの、改めてハンクの楽曲に触れてみたところ、これが思いのほか良い。「カントリーはメロディが渋い!」とはKANさんの弁。

ところで最近気になっているのは、歴史の中で綿々と歌い継がれてきた先人の遺産を歌い継ぐ歌手が少なくなってきたと言うこと。戦後とりわけビートルズ以降、自作自演を良しとする風潮が産まれてきたこともモチロンあるだろうし、ミュージックビジネスを生き抜いて利権を獲得する為には、レパートリーを自作曲で占めるのはある種の戦略でもあるだろう。しかしジャズやブルーズ、カントリーそして特にフォークなどは解りやすいのだが、それらはパブリック・ドメインつまり人類の共有財産としての楽曲で勝負してきた世界。つまり言い換えれば歌手というフィルターを通して幾多の試練を乗り越えた人類の歴史や人生観が浮かび上がってくるような音楽なのである。そこには著作権だオリジナルだなんだと言うコウルサイ御託は存在しえない。

ところでKANさん、ライブ盤を挟み4枚目となるスタジオ盤の制作が進んでいる。あとはラリー・ウィリアムスの破壊的なロックンロール"Dizzy Miss Lizzy"を録音すれば全9曲のレコーディングが終了すると言う。次作は全体的に見るとロックンロール色強いアルバムに仕上がっており、件のハンクのバラードもいいクッションになっている。本当に仕上がりが楽しみだ。

こうしてKANさんのブルーズを聴いていると、楽曲に籠められた魂や情念が、時空を越えてKANさんの肉体を通じ、フッと蘇ってくるようなそんな気分になる。ライフワークとして毎年1枚、先人の遺産を歌いついで行って欲しいと心から思う。それが出来るのは日本広しと言えどKANさんしかいないのだから。

P.S.
ロックンロールと言えばKANさん、最近ではジーン・ヴィンセントもお気に入りのようで、いつかKANさんの"Be-Bop-A-Lula"を聴ける日が来るかもしれません!

(管理人/音楽雑文家 いしうらまさゆき)

Hank_2

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コメント

先月に公園でKANさんにNEWアルバムの製作状況聞いたときは「後3曲だな」とおっしゃってたんですけど
順調に進んでいるようですね?
ギターをAMISTERに変えてからは初のレコーディングのようで
KANさん曰く「こいつは凄い音出るぞ!」との事で、非常に楽しみにしております。

投稿: AKIRA | 2006年11月 6日 (月) 23時49分

AKIRAさんこんにちは!レコーディングは順調に進んでいる模様です。本当に楽しみですね~。アミスターは最高の音色ですよね。薄いのにかなりの音量が出るので驚かされます。AKIRAさんもギターを弾かれるのでしょうか? ともに新譜を心して待ちましょう!

投稿: markrock | 2006年11月 7日 (火) 00時03分

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