Antone'sへの道
テキサスはオースティンにブルーズの聖地とも言われる老舗ライブハウスがある。その名もアントンズ(Antone’s)。B.B.キング、アルバート・コリンズ、スティーヴィ・レイ・ボーン、バディ・ガイ…錚々たる面々がこのライブハウスを通って来た。
そこに今回挑もうとしているのがBroom Duster KAN!!もうそれだけで興奮を抑えられないのだが、そんなBroom Duster KANの新作が近日リリースされる。その名も『Going To Antone’s』。バンドThe Strangersとの長きに亘るレコーディングの末、とうとう納得の行く最高の作品が仕上がった。
今日、内容を確認したのだが、もう悶絶必至の全12曲。インストに始まり、インストに終わる構成。音は最高。プロデュース、エンジニアリングを担当したお馴染みMakoto Kubota氏がトラックダウン後にぶっ倒れたというのも分かる会心のストレンジャーズ・サウンドだ。演奏曲もここ1年半でのThe Strangersとのライブで磨き抜かれた楽曲ばかり。”Dust My Broom” ”Shake Your Money Maker” ”Got My Mojo Working ” ”Cross Road Blues”…もう強力過ぎるほどの音圧で迫りくる。
Broom Duster KANのリヴァーヴの殆んど掛かっていない生々しい唄、間髪開けずに雪崩れ込むハープ、安定感のあるベースもBroom Duster KANの息遣いを拾うような名人芸!そして、もしエルモアがロックンロールを演ったらどうなるか?と考えてしまいもする軽快なドラムスはThe Strangersのサウンドをユニークなものにしている。ギターソロなんかではなく、延々と吹き続けるハープソロを聴くにつけ、休む間もなく走る続けるBroom Duster KANのエネルギーに感服した。
もちろん人気曲”Tennessee Waltz”も収録。チャック・ベリー”Johnny B.Goode”の弾き語りはレコーディングでは初出となる。あとはジャケットの完成を待つのみ。早ければ2月20日以降、少なくとも3月の阿佐ヶ谷のステージでは販売可能(おそらく\1000)とのこと。Antone’sのオーナーがどんな顔をしてコレを聴くのか。日本のブルーズの真髄を知らしめて欲しい。
(管理人/音楽雑文家 いしうらまさゆき)
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